森づくりフォーラム・ニュース

2020年12月4日

【インタビュー】ジュエリーブランド「YURI MIYATA」デザイナー 宮田有理さん ~森との素敵な付き合い方~

インタビュー
ジュエリーブランド「YURI MIYATA」デザイナー 宮田有理さん
~森との素敵な付き合い方~

インタビュアー:内山雄介(2020年度森づくりフォーラムインターン)
インタビュー日:2020年9月8日

 「自然から感じる思いをかたちに」をテーマに、山で見つけた植物や景色、実際にその場で感じたことを大事にしながらデザインと制作を行う、ジュエリーブランド「YURI MIYATA」。

 「YURI MIYATA」では手ぬぐいの販売もされており、その売上の一部を森づくりフォーラムにご寄付いただいております。

 デザイナーの宮田有理さんは、森づくりフォーラムのさがみの森で一緒に森づくりを行っています。そんな素敵なご縁が、手ぬぐい制作につながりました。

 今回は宮田さんに森づくりのことや、日常生活と森との関係など、いろいろなお話を聞かせていただきました。制作活動の傍ら山や森に親しむ宮田さん、自然の中での時間が普段の制作活動にも深く関わっているようです。


宮田有里さん

***

森や自然への興味関心はいつごろから持ちはじめましたか。

 昔から植物は好きでしたが、ちゃんと森や自然に興味を持ったのは登山を始めてからです。社会人になってから登山を始めて、植物の形や種類をたくさん知って、どんどん好きになっていきました。

作家として自然をモチーフにしたデザインをするようになったきっかけを教えてください。

 きっかけも登山を始めてからです。
 今の仕事を始める前までは、洋食器会社で形状デザインの仕事していました。カップソーサーやポット、ホテルやレストランのディナーセットなどのデザインをしたり、石膏を削ってモデルを作ったりしていました。当時、ヨーロッパの唐草模様などを写真や本で勉強して参考にしていましたが、山に初めて登った時に、自分で調べた情報とは比にならないぐらいの植物の形や自然が作る造形の美しさに感動して、それらを削りたいな、形にしたいなと思ったんです。
 まずは、日々の生活に取り入れやすく、自然の空気を感じられて生活に寄り添えるものになるようなアイテムを作りたいと思い、アクセサリーの制作を始めました。

宮田さんの作品、アクセサリーシリーズ「IN THE FOREST」

普段の登山風景

普段されている登山についても教えてください。

 最近はすごくゆったりした行程で歩いて、植物を観察したり、山頂でコーヒー飲みながらぼーっとできるような時間をとることを大切にしています。登山を始めた頃はとにかく色々な山に登ってたくさんの景色を見たくてタイトなスケジュールを組んでいましたが、最近は当時よりも体力が無くなりましたし、時間にとらわれないゆったりしたスケジュールで山での時間を満喫できるように心がけています。

(内山)作品のイメージなどもそういった時間に見つかることが多いのですか?

 すぐに繋がるものは無いのですが、今アクセサリーとして形になっているものは、街で考えてたことと、山で見つけたものが偶然繋がって出来たもののような気がしています。
 日々の生活の中でぼんやりとイメージしているデザインがあるのですが、それが山を歩いで見つけた自然のフォルムと上手く一致したものだけが、自分の中で良い形に出来上がっているように思います。様々な山を無心で歩いたり景色をみながら、頭の中で無意識に繋ぐ作業を繰り返しているのでしょうか。

さがみの森を知ったきっかけ、参加経緯を教えてください。

 毎年多くの自然災害のニュースに心を痛めるとともに、いつの間にか元通りになっている登山道やずっと守り続けられている山の自然は、誰がどうやって管理しているんだろうとふと気になったことがきっかけでした。
 制作したいものが増えるにつれて、山からインスピレーションを貰っている私は、貰ってばっかりだな・・と思うようになり、自分ができることはないか考えるようになって探していた時に森づくりフォーラムと出会いました。

2019年9月の台風ではさがみの森でも大きな被害があった。

(内山)お返しみたいな意味合いが強いのですか?

 そうですね、今後も山や森を歩き続けたいな思いますし、これからも自然がずっと守り続けられるといなと思って、そこで自分ができることってなんだろうって考えたことがきっかけですね。

ボランティアやNPOが行う森林保全活動についてどのような印象をお持ちですか。

土場での風景

 最初何も知らなかった時は、ちょっと堅そうなイメージがありました。私の周りの人に聞いてみても、やはり保全という言葉から、すごく固く真面目で大変そうというイメージを持っている人が多いです。私は集団行動が苦手なタイプなので参加してみるまでは不安もありましたが、思っていたより和やかな雰囲気で楽しく、「森づくり」っていいなと感じることができました。今はこの活動の良さをどんなふうに紹介したらいいのかまだ分かっていませんが、私も作品を通して多くの人に知ってもらえるよう活動していきたいと思っています。

続けて参加する理由や意味などを教えてください。

 参加している理由は単純に、心地よくて楽しいということが一番じゃないかなと思います。活動内容を丁寧にしっかり教えていただきながら、みんな結構自由に楽しんでいて、私も自分のペースで黙々とできるのがすごく楽しいです。植物に詳しい方が多く、よく石井さん(森づくりフォーラムスタッフ)にも教えてもらっています。自分以上に森に対しての思いが強い方が多いので、そういう方の話を聞くだけでも刺激になり、学びながら楽しくて続けられています。

さがみの森の活動で特に楽しかったことや印象に残っていることはありますか?

 初めて枝打ちをした時です。

(内山)木に登るのですよね?

 はい、びっくりしました。中々出来ないですよね。木の上から森を眺めるのが新鮮でした。これから枝打ちの季節なのでとても楽しみです。

枝打ちは高所での作業となる。

体を支えるのは梯子と安全帯

作業や活動自体で大変なことはありますか?

 ノコギリで枝や幹を切る時は体力がいりますし、難しいことも多々ありますが、自分のできる範囲でさせていただいているので、辛く感じた事はありません。
あ、でもヤマビルにはびっくりしました。(笑) 
 1回くらい咬まれてもいいや、と思っていましたが、咬まれるとウエアが血まみれになるんですね。それはちょっと困ると思って何度も足元を確認していました。
帰ってからヤマビルの話を周りの方にすると皆面白がってくれます。引かれる方もいますが。

さがみの森での活動が普段の生活の中で生かされている、また反対に、普段の生活がさがみの森での活動で生かされることなどはありますか?

 さがみの森でいろいろな木を教えてもらって、登山中に森の中を歩く時は以前よりも木を見るようになりました。
 まだ名前は覚えられていませんが、針葉樹と広葉樹に左右で分かれてることとか、葉っぱの形や、国有林の印だとか、枝打ちしてあるなぁとか今まであまり見なかったことに気づくようになって登山が一層楽しくなりました 。

(内山)一年活動をするとそんな難しいことも分かるようになるんですね。

 いえいえ、まだまだ知らないことだらけです。

(内山)でも楽しいですね。

 そうですね、毎回あたらしい発見があるのは楽しいですね。

宮田さんはさがみの森での活動をご自身のブログに綴ってくださいましたが、それ以外にも知り合いなどにこの活動について話すことはありますか?

 ホームページには自分の記録として残しているので、それを読んで興味を持ってくださった方に聞かれた時は詳しく話しています。今年制作した手ぬぐいは、作ったきっかけや経緯をよかったら知って欲しいなと思ったので、そういった部分を少しホームページにまとめています。

手ぬぐいを制作し、その売り上げの一部を寄付していただきました。そうしていただいた理由や経緯などについて教えてください。

 自然に対して自分は何ができるかなと考えた時、物を作ることぐらいしかできないと思ったんです。実際に現場で働いている方ほどの体力もないですし、自分のできることで力になれることがあるといいなと思いました。
 宮本さんや石井さん(森づくりフォーラムスタッフ)の話を聞いていると、この先も森づくりが続くといいな、と思います。手ぬぐいを手にとって下さった方がそういった活動を知るきっかけになったらいいな、と思って売り上げの一部は寄付させていただいています。


出来上がった手ぬぐい

普段の生活の中で、自然を意識することはありますか。(エコや自然に優しい行動など)

 それこそ最初手ぬぐいのパッケージをPPの袋で作ったんですが、エコを意識して紙の帯に変更しました。
 普段の生活の中で言えば、自分にとっていいなと思うものや価値のあるものであれば高いものでも買って、長く大切に使う事は意識しています。それが結果的にエコに繋がるのではないかなと思っています。

他の参加者とのふれあいについてどのように思っていますか?

 参加者は職業も年齢もバラバラですが、みんな共通して森が好きなのでとても心地が良く、普段交流しない年代の方の会話を聞くのも、自分の生活の中では中々機会がないので面白いです。

森づくり参加者の様子

登山者やキャンパーなど、レクリエーションで山を利用する人たち、全くの初心者の人にも森を守る活動に興味を持ってもらい、参加してもらうにはどういったことが必要だと思いますか。

 活動している人が楽しければ、周りもその雰囲気に引き込まれていくのではないでしょうか。

(内山)宮田さんもそのお一人ですか?

 そうですね、楽しいです。周りにも楽しそうだねと聞かれることがあります。
子供や親子だけでなく、大人向けの植物観察や道づくり体験イベントを開催してほしいです。

(内山)今の時代大人も自然に興味ある人が多いんですかね。

 多いと思います。同世代の友達や興味ある方を誘いやすいです。

作業についてお互いに情報を共有したりレクチャーしたりする。

宮田さんは、自然をモチーフとした作品を作られています。また、登山をしたり写真を撮ったり、とても自然に近いライフスタイルをなされている印象を受けました。そんな宮田さんにとっての森とはどんな存在ですか?

 私は逆に、自分の生活と自然は遠く感じています。山や森は大好きなんですが、都会で日常生活を送る中で、あぁ行きたいなって思う場所です。そんなふうに思う時、自分が山を歩いて感じたことなどを振り返り、その時の空気や景色だとかが少しでも日常で使ってくれる人に寄り添えるといいなと思ってアクセサリーを作っています。

(内山)森と街の、両方の生活が重要なのですね。 

 森を歩いたり景色を見たりするだけで、忙しいことや色んなことが不思議と整理されて頭がすっきりした感覚になるのですが、そうしたすっきりした感覚で、元居た日常を振り返ると新しい発見があったりして。森にいるときは日常や街のことを考えて、街にいると山や森のことを考えて、ちょうどいい距離感やバランスを保てているのかもしれません。自分の生活において、気持ちを安定させる為にも森は無くてはならない存在かなと思います。


さがみの森から望む都市郊外の風景

今後森に関わるどんな活動をしていきたいですか。

 今後も様々な森を歩きたいです。地方の山や、いつか行けるようになったら海外にも行きたいところはたくさんあります。
 直接森につながるわけではないのですが、そこでしか見られない景色や、自分がその場で歩いたことを大切にしながら今後も作品作りをしていきたいと思っています。自分の作品を通して見てくれたり使ってくれた人が山の自然を感じてこういった活動に関しても知っていただけたらいいなと思います。


さがみの森での集合写真

宮田有理さんプロフィール
大学でセラミックデザインを学び、形状デザイナーとして勤務した後、登山をきっかけに森の植物などの自然の形に惹かれ、2015年より制作・YURI MIYATA をスタートした。
YURI MIYATA HP : http://yurimiyata.net/
INSTGRAM : https://www.instagram.com/yuri_miyata/

写真:宮田森平

🍂「YURI MIYATA」展示会開催中
 YURI MIYATA EXHIBITION at Taito Designers Village
 2020年12月5日(土)~13日(日)
 http://yurimiyata.net/blog/6day2chngkmxlcltx8rmrdym4kc3fx-d5kgb

🍁ONLINE STORE OPEN
 2020年12月5日(土)10:00〜10日(木)23:59
 https://yurimiyata.theshop.jp/

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〇フォレスト21 さがみの森:毎月第2土曜、第4日曜日に定例活動を行っています。
https://www.moridukuri.jp/about/field.html

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