全国の市民による森づくり団体紹介(里山倶楽部)


NPO法人 里山倶楽部

 里山倶楽部は1989年から30年来、里山保全活動に取り組んできました。コンセプトは、当初の「好きなことして、そこそこ儲けて、いい里山をつくる」から、最近は「新しい“里山的”生き方・暮らし方の提案」へ。森づくり活動、棚田保全、環境教育、人材養成、木質バイオマスエネルギーなど様々な切り口で、ボランティアだけでなく、はたらくことや暮らしの場まで、それぞれが自分らしいスタイルで、里山と係わることのできる活動を展開しています。

試行錯誤から始まった30年

 里山倶楽部の成り立ちは、1989年に前身団体「南河内水と緑の会」が発足したことに遡ります。当時はまだ「里山」の言葉も「ボランティア」の活動も一般的ではなかった時代で、南河内地域には市民活動団体もほとんどありませんでした。そのため仕方なく自分たちで団体をつくり、試行錯誤で炭焼きや田んぼづくり、街中の自然を残す運動などを始めました。その中から、1995年に任意団体として「里山倶楽部」が独立、2002年に委託事業の受け入れを視野にNPO法人化して現在に至っています(前身団体は2000年に閉会)。
 最初は自分たちのやっていることが「森林保全活動」であるという自覚はなく、身近な森や里山を楽しみながら守っていきたい、という素朴な思いではじまっています。

 植生調査

「新しい“里山的”生き方・暮らし方の提案」

 当初からの活動コンセプトは、「好きなことして、そこそこ儲けて、いい里山をつくる」。無償のボランティアが当たり前の時代に画期的でしたが、やっている本人たちは、お金がゼロだと続かんやろ、里山は経済が回らないと守れん、といたってシンプルに考えていました。また、たいへん大阪らしい、といつもほめられる?コンセプトでした。
 最近は、ボランティアで運営するNPOでも資金調達や経営を考えるのが当然の時代になってきたので、現在はこれを一歩すすめ、「新しい“里山的”生き方・暮らし方の提案」をコンセプトとしています。

 「そこそこ儲けて」のココロは、里山を自分の生活経済に組み込むイメージですが、「“里山的”生き方・暮らし方」は、お金だけでなく、里山にかかわる人がそれぞれ独自のスタイルで「里山と暮らす」ことをイメージしています。里山に「住む」「通う」「寄り添う」、里山で「はたらく」「遊ぶ」「まなぶ」、里山を「つかう」「楽しむ」・・・。多様なかかわり方をすすめることで、里山が再発見され、新たな価値が生み出され、結果として経済的にも回っていく。そんな思いで、里山倶楽部の日々の活動は展開しています。

 チェーンソー講習

多様な活動を「独立採算制」で

 その入り口として開催しているのが「里山と暮らす応援講座」シリーズです。森林保全に必要なベーシックな知識(里山概論、植生、生きもの等)や技術(手道具、動力機械、道づくり等)を身に着けると同時に、楽しみ方(食べる、つくる、収穫する等)や、応用編(計画づくり、斜面修復等)も組み込んだ、盛りだくさんの講座です。
 その他にも、「ワークショップ里山日和♪♪」「里山っ子クラブ」「源流米パラダイス」「森の樹上ランチ」「竹炭焙煎珈琲」などなどユニークな入り口があり、いろいろなイベントへの出店で稼いだり?、森の音楽会などもあって、その多彩さが倶楽部の魅力となっています。

 また、これらの活動が当初から「独立採算制」になっているのも特徴です。各活動の収支はそのグループが管理し、収入の5~10%を共同運営費として事務局に入れたあとの残金は、各グループの自由裁量で使えます。必要最低限の経費をまかなったあと、もし余剰があれば人件費に使うか物品を買うか、次の活動用においておくかは自由です。その変わり、赤字が出てもグループ持ちなので、みんな高いモチベーションと緊張感で運営にあたっています。

斜面修復作業

 新しい世代との連携で次世代へ繋げる

 近年の森づくり活動の大きな問題は高齢化や次世代への継承ですが、比較的若いといわれる当倶楽部(40~60歳代が中心)でも、30年の成果をどう引き継ぐかは課題になっています。そのために取り組んでいることは、周辺地域で活発に動いている新しい世代の動きとの連携です。地域おこし協力隊、里山民泊、森のようちえん、自給農、古民家カフェ・・・そんなテーマで動いている人たちと、ゆるやかにつながる企画を昨年から始めています。里山倶楽部という組織を継続するためではなく、里山倶楽部が手入れしていきた里山をどうつないでいくか、変に深刻になりすぎず自分たちが面白いと思う企画を起こすことで、模索していきたいと考えています。

収穫祭で音楽会

 

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 NPO法人 里山倶楽部

 〇所在地:大阪府松原市(拠点フィールドは大阪府南河内郡河南町)
 〇設立:前身団体1989年、任意団体設立1995年、NPO法人認証2002年
 〇ホームページ:http://satoyamaclub.org/aboutus