全国の市民による森づくり団体紹介


公益財団法人 肥後の水とみどりの愛護基金

 熊本市は周辺住民約100万人が、飲料水を地下水で賄う日本随一の「地下水都市」です。その地下水の保全を当財団は主事業としています。事業の柱は5本で、①「肥後の水とみどりの愛護賞」顕彰による環境保全活動の助成金事業、②DVD「水はみんなの命」などによる啓発事業、③森林の管理・運営事業、④農業・水田湛水事業、⑤肥後銀行本店の「肥後の里山ギャラリー」で文化事業を展開している団体です。

 

「水資源涵養」を軸にした3本柱の事業

 当財団は、阿蘇を主な活動フィールドとし、水資源涵養のために下記の活動を行っています。

<森林の保全・育成事業>

 2006年、阿蘇北外輪に肥後銀行が購入した「阿蘇大観の森」52haの管理運営を当財団が行っており、水源涵養林の保全育成事業(毎年、間伐・地拵え・植樹・下草刈りを実施)に取組み、広葉樹の苗木を植え、杉・ひのきの人工林の「針広混交林化」を図っています。

植樹

 52haの植樹を2018年に完了したことから、阿蘇市から阿蘇大観の森に隣接する森林6.6haを当財団で購入し、14回目の今年は、1.1haの面積に3千本の植樹を行いました。累計の植樹面積は53.1ha、植樹本数は約13万5千本 ボランティア参加者は、他企業との合同植樹参加者を含め延べ1万人を超えています。「阿蘇大観の森」における地下水の涵養量は1日2,549トンと算出しています。

 今後は、熊本県森林組合連合会の計画に基づいて、計画的に森林の保全育成を進めて行くとともに、残る5.5haの面積に1万5千本の植樹を進めてまいります。

下草刈り

<農業・水田湛水事業>

 2011年、当財団が阿蘇市山田地区で25年あまり耕作放棄地(阿蘇市全体の耕作放棄地の約8%相当)となっていた土地を賃借して整備し、棚田として再生しました。阿蘇水掛の棚田」と命名し、水田による水源涵養を目的として、3.6haで毎年、田植え・稲刈りを実施しています。肥後銀行役職員や地元の協力者・子供達など、毎回700名程度がボランティアとして参加しています。2016年の熊本地震で被災した東海大学農学部の学生約100名には、農業実習の場として提供しています。

 「阿蘇水掛の棚田米」は、減化学肥料での取組が評価され、2017年に熊本県から「地下水と土を育む農畜産物等認定証」の農産物部門第1号認定を受けました。冬田の水張りを含む8か月間で約538,000㎥の地下水を涵養しています。

 このような内容が評価され、「阿蘇水掛の棚田」は、2017年に「第29回くまもと景観賞」、2018年に「くまもと景観賞30回記念大賞」を受賞しました。

田植え

<阿蘇草原再生のボランティア支援>

 九州の水がめと言われる阿蘇地域は、世界農業遺産及び世界ジオパークに認定されています。草原再生にボランティアとして参加するため、当財団の斡旋で、2015年から(公財)阿蘇グリーンストックが主催する輪地切り・野焼き講習会に肥後銀行役職員が参加しています。ボランティアの養成人員は累計で250名になりました。

 

涵養にプラスして水質まで、さらにフィールドの拡大も目指す

 水資源の涵養(水量)に加えて、今後は「水質」に取組んで行く予定です。「湧水の水質調査」を定期的に行ない、データを蓄積していくと共に、湧水の近隣の小中学校にも協力の輪を拡げていく計画です。また、2020年に熊本市で開催される「アジア・太平洋水サミット」に向けて2012年に制作した啓発DVD「水はみんなの命」のリニューアルを行ないます。

 SDGsのゴールである2030年を見据えて、活動のフィールドを阿蘇だけではなく、「阿蘇から白川中流域、天草を含む有明海まで」活動範囲を拡げていきたいと考えているところです。

稲刈り

 

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 公益財団法人 肥後の水とみどりの愛護基金

 〇所在地:熊本県熊本市中央区
 〇設立:1992年
 〇ホームページ:http://www.mizutomidori.jp/