全国の市民による森づくり団体紹介(わたらせ未来基金)


わたらせ未来基金

 わたらせ未来基金は、約100年余りを経て再生された低層湿原、渡良瀬湿地帯における生態系ならびに湿地環境の保全・再生を推進しつつ、渡良瀬遊水地周辺地域におけるワイズユースの一環として自治体と民間団体の官民協働で環境・経済・社会の諸問題に取り組むことで、持続可能な開発目標の達成に努める活動を行っています。さらには、渡良瀬川で繋がる上流足尾山地の緑化推進活動も実践しています。

自然観察会&湿地保全作戦記念

 

「渡良瀬川の遊水地の自然を守りたい」 その想いから活動がスタート

 「わたらせ未来基金」は、「わたらせ未来プロジェクト」を推進する市民団体として2001年3月11日に発足しました。

 1990年代後半、渡良瀬遊水地の利活用の中で、当時の建設省は第2調節地において遊水地全体の貯水容量の関係で谷中湖と同様、貯水池を計画していましたが、自然環境保護団体の強い反対運動や種々審議会検討の結果、貯水池化を断念しました。
 「わたらせ未来プロジェクト」とは、当時、自然環境保護団体が提起した「エコミュージアム・プラン」を推進するために具体的に実践していく活動の名称です。関心ある人たちが、団体名称を「わたらせ未来基金」と命名して活動開始しました。

 

湿地の保全から森づくりまで、幅広い活動を展開

<ヨシ保全と活用>
 渡良瀬湿地帯は、本州以南最大の広大なヨシ原であり、そのヨシ原を維持してきたのは、地場産業であるヨシ産業です。わたらせ未来プロジェクトは、地場産業者と連携して、ヨシ原を保全します。イベントとして、冬のヨシ刈りや刈り取ったヨシは、足尾緑化事業や地域の土壌改良用に、「腐茎土」というたい肥を作成し、活用しています。


ヨシ刈りイベント

<生物多様性のための防火帯つくり>
 湿地帯には、昔谷中村があった時代の屋敷林が残っています。毎年3月ヨシ焼きが行われますが、生き物たちが多様な環境に生息、生育できるように一部の屋敷林保護のため防火帯作りを行っています。

<湿地の保全再生プロジェクト>
 国土交通省は平成22年3月、渡良瀬遊水地湿地保全・再生基本計画を策定し事業を始めました。未来基金もこれを機に渡良瀬湿地帯の湿地の保全再生に向けて、外来種のセイタカアワダチソウ、オオブタクサ、勢力を強めるヤナギの除去作戦、再生された池での生物調査やニホンアカガエルカエルの卵塊調査を行っています。同時に野鳥をはじめ、植物、昆虫や動物調査、池内の外来生物駆除イベントを実施しています。今後の湿地再生を価値あるものにし、次世代に引き継いでいきます。

民間協働除去作戦

<ヨシ焼き前のクリーン作戦>
 春先のヨシ焼きは、害虫駆除、森林化防止など重要な行事ですが、同時に捨てられたごみも焼くことになります。廃棄物の適正な処理をしていただくよう拾い活動です。

ヨシ焼き前クリーン作戦

<自然と親しむ観察会の案内、実施>
 「毎年湿地のグリーンウェイブin渡良瀬遊水地」というイベントを開催し、この地の自然の豊かさを知り、観察を楽しむ活動をはじめ日本野鳥の会栃木県支部と連携し、探鳥会やツバメの塒入り観察会を行っています。

<足尾山地の緑化再生と育林>
地元の団体と連携し、植樹を始め草刈りや鹿の食害防止対策、土作りを行っています。


足尾山地植樹

<どんぐり拾いと里親>
秋、足尾にどんぐり拾いに行き持ち帰り、3~4年育てて、再び足尾に返す活動です。

<ウォークtheわたらせ>
渡良瀬川流域を歩き、歴史自然名所旧跡を訪ねるウォーキングを開催しています。

 渡良瀬遊水地は過去の公害の歴史があるがゆえ、今では人が生活しない生き物達の宝庫、楽園となっています。都会からも近いところで歴史・自然に親しめる最高の場所です。


環境学習出前授業

 

様々な団体と連携して、渡良瀬遊水地の未来を拓く

 渡良瀬遊水地は念願であったラムサール条約登録湿地となって7年が経過しました。しかしながら4県4市2町にまたがる場所であり、いまだに各自治体が足並みをそろえた事業計画と催事が行われていません。ワイズユースについて民間団体と行政が話し合い必要な組織、行うべき行動をまとめ上げて行くことが必要です。

 持続可能な目標を具体化していけば、渡良瀬遊水地の未来は拓けます。

 

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 わたらせ未来基金

 〇所在地:茨城県古河市
 〇設立:2001年
 〇ホームページ:http://www.mizutomidori.jp/